特異な形をしているオスプレイ。離陸・着陸時は、ヘリのようにローターの角度を垂直に立て、前方に傾ければ固定翼機のように飛行ができるため、固定翼機のスピードと航続距離、ヘリの小回りのよさや垂直発着をあわせもつとされています。すでに米海兵隊はMV22Bタイプを沖縄に配備しており、東京上空をたびたび飛来しています。
沖縄県では米海兵隊のオスプレイに配備されたことに県民ぐるみで反対しており、10万人もの県民が集まる県民集会が催されるなど、撤去を求める運動が続けられています。また、オスプレイパッド(訓練のための着陸帯)の建設工事が高江で強行されていることが、国内外で強く批判されており、連日反対行動が行われています。
また、佐賀県では、日本政府は自衛隊が購入するオスプレイを佐賀空港にする計画であることから、佐賀県内は一丸となって配備反対運動を進めています。さらに、千葉県では、自衛隊木更津駐屯地に米軍のためのオスプレイ整備拠点を設ける計画があることから、反対運動が広がりはじめています。
「爆音で生活に支障がでている」「墜落の危険が高い」「暗殺・拉致のための兵器はいらない」「人口密集地や民間機がたくさん飛ぶところに配備するはおかしい」といった声に支えられ、全国各地でオスプレイの配備反対が広がっています。
東京・横田基地に配備されるCV22オスプレイは、沖縄やアメリカ本土・ハワイ、グアム、韓国に配備されている特殊作戦部隊を乗せるためのものです。特殊作戦とは、敵地、それも敵対勢力が軍事的におさえている地域に侵入して強襲し、要人の暗殺や拉致をおこなうもので、軍事作戦上、最も危険な任務とされています。そのため、夜間や山間部など複雑な地形であっても特殊部隊を投入し、回収しなければならず、訓練も過酷なものとなっています。訓練でも、高度30~60m(10階建てマンション程度。民間ヘリは600mで飛行。)の超低空で飛行し、敵からの対空ミサイルの追跡をふりきるために、急上昇・急降下・急旋回を繰り返します。オスプレイは、ほかの軍事機と比べて事故をおこしやすいと言われていますが、それはエンジンの重大欠陥ばかりでなく、こうした特殊作戦のための過酷訓練に由来しています。
東京・横田基地は、5市1町(福生市、羽村市、武蔵村山市、立川市、昭島市、瑞穂町)にまたがっており、51万人が住む人口密集地のど真ん中にあります。多数の軍事機がアメリカ(主にハワイ、アラスカ)から往来し、横田基地で積み替え、日本国内の米軍基地への輸送しています。
飛行訓練は毎日のように行われており、爆音や墜落の危険をもたらしています。飛行回数は、2012年の8,076回から11,967回に増加しており、被害は拡大しています。
最近の横田基地は米軍特殊作戦部隊や海兵隊など、戦地にまっさきに殴り込む部隊の実戦的訓練基地として強化されており、それにともない、たとえば2012年からはC130 輸送機からのパラシュート訓練による兵員・物資降下訓練が繰り返し行われています。
最近では、2016年10月17 日から20日まで実施された模様で、基地監視活動をすすめる市民団体によれば、「18 日は、多数の人員が降下したとの情報あり。19 日午後の人員降下は 5 回(① 6 人、② 7 人、③ 7 人、④不明、⑤ 7 人)。20日、昼間もパラシュート降下の目撃情報が寄せられたが、詳細は不明。夜間は 3 回ほど行われた模様。19 時 30 分の7人と、19 時42分の7人の降下は確認された。夜間の訓練が増えている。」ことが明らかになっています。
首都の人口密集地のど真ん中に巨大な外国基地が置かれ、住民に被害をもたらしていることは、大変異常で世界にもほかに例がありません。基地周辺には、住宅のほかに、学校や保育など90以上もの公共施設があります。その真上で、夜間飛行や低空飛行が繰り返され、爆音、部品落下があいついでいるなか、さらにオスプレイを配備することを許せば、住民の被害が深刻になることは必至です。